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文在寅(ムン・ジェイン)著 『運命』を読んだ
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     ぼくは韓国の歴史ドラマにすっかりはまっている。「チュノ」「イ・サン」「トン・イ」などだ。「チャングムの誓い」は職場の同僚が毎回見ているような話を聞いてはいたが、まだ、テレビドラマを見る習慣もなくほとんど診たことがなかった。それがはまったのはたしか、イ・サンからだと思う。「チュノ」は賤民に身分を落とされた男たちが主役で、その俳優たち(女優さんもきれいな方でした)の魅力もあって家族(我が家はぼく以外は女性だ)で見ていた。今、放映されている「オクニョ」もあまりいい出来のドラマではないが、見ている。

     

    あげたドラマはすべて16世紀から17世紀の頃の朝鮮王朝のころの話である。

    王家(王や皇太子)のだれかが主役のように出てくるドラマもあるが、主役の一人は奴婢出身の女性(男性)である。もちろん、美しいし、賢いし、たくましい。(そこはドラマだ)

    女性たちが、身分制が厳しい封建時代に奴婢の身分から、差別に負けず、生きていく姿がえがかれていくのである。

     

     韓国の多くの歴史ドラマは、まず確実に奴婢など差別された賎民(せんみん)が登場する。人間と歴史が丁寧にえがかれているのである。厳しい差別の実態、その中で犠牲になった人々もきちんとえがかれている。英雄だけを美しく、脚色してえがくなどということはしていない。

    そんな差別を受けた人々が生きていく姿に感動しながら、韓国の歴史ドラマを見てきた。(現代映画はあまり見ていないが)

     

     毎年放映されているNHKの歴史ドラマはほとんど見る気はないし、時間の無駄としか思えない。「西郷」を今頃見てなんになるか。(鹿児島の方には悪いが)明治維新ものは薩摩と長州賛美をいやとなるほど見せられて、山陰の田舎出身の僕としても面白くもなんともない。不愉快さすらこみあがる。西郷がいろいろなところでであった女性に子どもを生ませてそれからどうしたのか。

    明治の元勲ものをNHKはいつまでやるんだろう。まともなものは、記憶に残るものでは、唯一、菅原文太が主役をした『獅子の時代』ぐらいだ。秩父事件や北海道の樺戸集治監がえがかれ、英雄物語ではない歴史に翻弄される一人の人間をえがいていた。

     

    この『運命』は、現在の韓国大統領 文在寅(ムン・ジェイン)の自伝である。ただし、韓国で出版されたのは2011年、文在寅の盟友であり、同僚の弁護士であり、友であった、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が不慮の死を遂げてから書かれたものである。もちろん文在寅は当時、大統領ではないし、政治家ですらなかった。

     

     この本には、文在寅が、両親は北朝鮮の出身で朝鮮戦争時、戦火の中で南に逃れ、以降、収入は母の行商という、極貧の中で子ども期を過ごし、何とか大学にいくが、朴正煕(パク・チョンヒ)、 全斗煥(チョン・ドファン)と続いた軍事独裁政権の中で自由と民主化を求める学生運動に参加し、投獄された後、徴兵され、空挺部隊に入れられるが、その後、運よく復学し、そんな中で司法試験に合格し、弁護士になった。

     そんなややこしい経歴の文在寅(ムン・ジェイン)を受け入れた法律事務所(釜山にあった)が、後に大統領になった盧武鉉(ノ・ムヒョン)の法律事務所だった。

     

    以来、二人は、同僚であり、友として、当時、韓国ではほとんど存在しなかった労働者のための弁護士として、韓国の民主化運動の先頭に立ったのである。盧武鉉(ノ・ムヒョン)もまた、極貧層の出身で、大学も出ていない。まさに努力の中で弁護士となり、貧困層の人々や労働者のために戦ってきた弁護士である。

     

    この『運命』は盧武鉉(ノ・ムヒョン)と 文在寅(ムン・ジェイン)の二人の弁護士としての活動や、盧武鉉が大統領になってやり遂げた仕事、できなかった仕事を中心に書かれている。

     

    しかし、盧武鉉(ノ・ムヒョン)がその後の保守政権によって死に追い込まれたあたりの記述は、韓国社会の保守性と権力の厳しさがえがかれていて、今、文在寅(ムン・ジェイン)が手がけている仕事を見れば、彼は、韓国社会を開かれた国にするために大統領になった。この本の最後は、大統領就任演説である。少し紹介したい。(一部、途中、略している)

     

     今日から、私は国民みんなの大統領になります。私を支持しなかった国民一人ひとりも、私の国民であり、私たちの国民としてつかえていきます。

     私はここに約束します。2017年5月10日、この日は真の国民統合が始まった日として歴史に記録されます。

     苦しかった過去の日において、国民は「これが国か」と問いました。大統領である文在寅は、まさにこの問いから、新しく始めます。旧い時代の誤った過去とは決別します。大統領から新しくなります。

     何も持たずに就任し、何も持たずに退任する大統領になります。退任後には、故郷に戻り平凡な市民となって隣人と情を通い合わせることのできる大統領になります。

     国民の悲しみの涙を拭う大統領になります。君臨ではなく対話し、心を通わせる大統領になります。

     

    文在寅大統領は、前任の朴槿恵(パク・クネ)氏が、友人と仲間や家族のための政治を私物化し、国民から選ばれてもいない「得体の知れない」人間に政治を丸投げするということが問われた弾劾運動に自ら1市民として、キャンドルデモに参加していた。

     

    韓国社会が1980年の光州事件、1986年の軍事独裁政権を倒す運動、そんな国民的な大運動の延長線上に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が登場したということが良く理解できた本だった。

    繰り返し語られる、「国家とは国民である」という言葉を思い浮かべながら、感動の中で読了した。

     

    さいたまユースの活動(ボランティア・ご寄付など)は https://saitamayouthnet.org/ へどうぞ。

     

    posted by: あおちゃん | - | 22:56 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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